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Fallen Islandの雑多な記録置き場。脳内妄想垂れ流しにつき、取扱注意。
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Mon 06 , 22:11:23
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Mon 16 , 00:07:03
2007/07
「ねえ、キズナ。私、夏目先輩の事が好きなんだ!」


…思えばその瞬間から。
その一言から全ての運命は狂い始めたんだ。


■◆■◆■◆■◆■◆■◆■【はじまり】■◆■◆■◆■◆■◆■◆■


和「で? 智佳子はどうしたいのだね」
智「…え…、いや、その…」

和「相思相愛になりたいんじゃないのか。こう…ネバネバする様な感じの」
智「やだ、和尚! そんな事考えてない…」

和「ぐひひ…「そんな事」とはどんな事かね。ホルモン智佳子」
智「そんな名前で呼ばないで! ねえねえ、キズナ! キズナは協力してくれるよね?」

絆「え? なんだっけ?」
智「もう、またぼーっとしてる。私と、夏目先輩が付き合える様にだよ!」

和「ベトベトか? ヌルヌルか?」

智「和尚は茶化さないで! …ね、キズナ。キズナは夏目先輩とたくさん話もしてるから、色々先輩の事知ってるでしょ?」
絆「うん… 智佳子が、それだけ本当に先輩の事好きなら…」
智「本当!? やったー、ありがとうキズナ! 私達ずっと友達だよ」

和「お嬢さん、アタシの事も忘れないでくれよ」
智「だったら和尚も協力してね! そしたら愛してあげるよ、ハニー!」
和「なんだい、アタシとキズナは二号さんか…!」

智「2人が誰かを好きになったら、私も協力するから! …じゃあね、また明日!」
和「ああ、ちゃんと宿題やれよ」
絆「…ばいばい」


■◆■◆■◆■◆■◆■◆■【ひみつ】■◆■◆■◆■◆■◆■◆■



和「で…、いいのかい?」
絆「ん、何…が?」

和「先輩の事さ」
絆「だって、智佳子が」
和「そんな事は聞いてない。聞いているのはキズナの気持ち、だよ」

絆「うん…」
和「智佳子は元々あんなだから別として、アタシが気付いていないわけないだろう?」

絆「…うん」
和「キズナがいいって言うならば、アタシには口を挟む権利もないけど。後悔先に立たずだよ」
絆「…うん」

和「ふ。まあ、悩むが良いさ。何かあったらアタシの胸をかしてやるし、アタシにとっては二人とも友達、さ」
絆「ありが…と…う」

和「キズナは、その下から目線が庇護欲をくすぐるねぇ。しかたない…レディースデーじゃないけど…クイーンストロベリーアイスくらいならご馳走してやろうじゃないか」

絆「ダブル…」
和「シングルです」

絆「じゃあ、それで。あはは、和尚…大好きだよ。和尚が男だったら惚れてたかも」
和「あー、運命は残酷だねぇ… ところでキズナ、涙を拭かないとすごいブサイクだぞ」
絆「ブサイクって言うな…!」



■◆■◆■◆■◆■◆■◆■【違う星空の下で】■◆■◆■◆■◆■◆■◆■




ホルスが、泣いている私の涙を舌で舐め取ってくれた。
その時、確かに私の唇の端とホルスの唇が触れた。


不思議とイヤではなかった。
触れた点が熱くなり、この島に来てからの戦いで渇いてがさがさになっていた私の心に少しだけ、優しい雫の様な物が滴った。
とても熱いけれど、とても優しく、満たされるもの。

これってなんて言う感情なんだろう?


ホルスはどうやら気がつかなかった様だけれど、私は1日中、ホルスの姿を見るたびに顔を真っ赤にし、怪訝に思ったリョウコさんの鋭いツッコミから逃れるのに必至だった。



戦いと、血と、憎悪。
この島に「生まれ落ちた」瞬間からずっと、戦う事を運命づけられている中で。

ほんのささやかな倖せ。
満たされる事。


昔、誰かが言っていた気がする。
とても懐かしい人、懐かしい記憶。

「倖せは、失ってしまった時に初めて、それが「倖せ」だった事に気がつく」

そんな事はない。
今そこにある事に気が付ける倖せだってある。
だから「それ」を失わない様に、人は今を強く生きるのだ。

倖せを失わない為だったら、人は強く、そして何よりも残酷になれるじゃないか。
それは私が一番良く知っている。

あはは。

だから、邪魔するヤツはみんな…、■■■や■■の様になればいいんだ…
あの2人、今頃どうしているかな…
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Thu 12 , 12:11:30
2007/07
あたたかい腕、広い胸に抱かれて眠る。
そんな夢を見た。
果たされない願望、焦がれ。



男の人の匂いがする。
夏目先輩と同じ、ちょっとの汗と絵の具とカビ臭い美術室の匂い。
それらが混じったような、不思議で切ない匂い。


他の誰かの様に、私は決してそこに抱かれる事はなかった。
ならば、せめて夢の世界でだけでも。
ただ一度きりの、はかないうたかたであったとしても、そんなささいな「願望」くらいは満たしても良いじゃないか。

その胸に深く深く顔を埋め、胎児の様に丸くなって眠り続けた。


====================

「キズナ。アリアス像の前髪の立体感はね…」
「髪の影と肌に落ちる影は違う。モチーフの材質と、影の温度を区別するんだ」


…智佳子と和尚の付き合いで仮入部したのが、うちのクラスの担任でアフロヘアーの獅子先生が顧問の美術部。
そこで1学年上の夏目先輩に出会った。


年のわりに達観していて、獅子先生には「仙人か」なんて言われていたけど、どんな事であっても、ただいたずらに否定せず、本質を見極めようとし、話しかける時には必ずあの声で私の名を呼ぶ。

だから、すぐに好きになった。
年頃の娘の様なはしゃぎかたこそしなかったけれど、私の心はその想いで確かに満たされていた。


====================
…朝の陽射しが降り注ぐ。
寝ぼけまなこで見上げたその顔は… 夏目先輩ではない。

ホルス。

誰にも必要とされず、誰からも与えられず。
ただただ、なけなしの幸福を…偽りの安寧を奪われた私を、この世界で初めて必要としてくれた人。

あの人と同じ声で私の名を呼ぶ人。
そのたびに私の心は苦い痛みと共に、甘い雫を垂れ流す。

甘い蜜は毒。

その毒はそっと私の記憶を蝕み、全てを忘れさせるかの様に甘い幻想を見せる。
いやだ、忘れたくなんか無いのに。

…そんな事を夢見心地に想いながら、私はその腕に包まれてもう一度眠った。






しばしの休息。
目覚めればまた「ルール」に強制された戦いが始まる…
Sat 07 , 01:47:36
2007/07
夜中、急にもよおしてしまったので野営地を離れた(生理現象なので仕方ない)
いつもはリョウコさんを起こして2人で行動する事が多いが、流石にこの時間では悪いと思ったので、そっと抜け出したのだ。


…まだ昼間の戦闘の傷が痛む。
あの3人組…相当の手練れだった。


この島のルールで、この島に来た時点での総合的な力量はお互い同じ。
それなのに、私達はいとも簡単に敗北した。

作戦に過ちがあった事、戦略を相手に読まれてしまった事が敗因の大部分を占める。
ならば今度こそは負けない。

奪われた物は奪い返してやる。
例え…はらわたを引き裂いてでも。
特にあの耳の長い男…私の事をもて遊ぶ様に戦っていた。
ならばあの男を一番最初に血祭りに上げよう。

しばらく星を見上げながらそんな事を思った。

野営地に帰ると、あろうことかホルスが私の毛布を自分の毛布の中に引き込み、抱き寄せて眠っている。
リョウコさんは離れた所で、我関せずと安らかな寝息を立てている。


ホルス。
この人はいったい何なのだろう。
大人の体に、子供の心。

最初は下心があって愚者のふりをしているのかと思ったけれど、この人はどこまでも純粋なのだ。

驚くほど純粋で、とても優しい。
そしてどこか憎めない。


…私は溜息をつくと、ホルスの毛布の中に潜り込んだ。
背中にそっと顔を近づける。


男の人の匂い。
夏目先輩と同じ匂いだ。


でも、ホルスは夏目先輩じゃない。

どうやってもあの日は帰らない。

血生臭も、陰惨なあの瞬間を思い出すと私は大きく身震いをした。
この手にまだ感触が残っている。
肉を割き、既刊の一つ一つを潰す感触。


もう一度私は身震いすると、ホルスの背中に身を寄せ、眠気に身を委ねた。




朝になればまた戦いの時間が始まる。
どこかから視線を感じるあの3人組。
今度は完膚無きまでに叩きのめし、奪われた物を奪い返してやる…!
Wed 27 , 23:16:58
2007/06
なんなの、ここは…


3人揃って少し探索をしてみた結果、ここが島状の土地だと言う事がわかった。
どこにも船着き場は見あたらない。

すなわち、脱出は能動的な不可能と言う事だ。

そんな事を一緒に行動する事になったリョウコさんと話し合った。
背中の包みには大きな和弓を背負っている。もしもの時には頼りになりそう。
だけど、ちょっと近寄りがたい雰囲気はある。
年上だから気後れしているのかも知れないけれど、少しだけ…怖い。


もう1人の大きな男の人はホルス。
なぜか私に懐いてきて、いつも袖を握って歩くし、座っていれば隣にくっついてくる。
下心のある気持ち悪い人だと思って、何度か逃げようと思った。
もし体に触れてきたら、ポケットに入れている■■■■で…とも思った。
でも不思議だ。
この人には邪気がない。動物、もしくは子供の様なんだ。
そして、憧れだった夏目先輩にどこか似ている…いや、似ていない事もない? 微妙かも知れない。
まあ、それはどうでも良いんだけれど…



…この島には2つの危険がある。
1つは原住生物。
動物から、漫画にでも出てきそうな不思議な生き物、ひいては人間の形をした歩く草までいる。
今の所、そこまで凶暴な物は見受けられないけれど、島の奥まで進んだ時にどれほど非友好的なヤツが空腹で待ちかまえているかはわからない。

もう1つは私達と同じ様にこの島へいつの間にかやってきた者達。
これも多種多様だ。
私やリョウコさんの様に普通の人間もいれば、ホルスの様にちょっと不思議な人、そして中には化け物と変わらない姿をしたのもいる。
言葉も何故か通じるし、ただ同じ島にいるだけでは危険という事でもないはずだけれど…
なぜか私達はこの島の「ルール」で、出会ったら「コロシアイ」をする事になっているのだ。
もちろんささやかに友好的なルールで「一方的なギャクサツ」になりそうな多人数対少数のコロシアイは起きないらしい。

このルールは、暗闇を抜けてこの島に来た瞬間、勝手に頭の中に入り込んできた。


そんなの嘘だと思っていた。
まさか漫画でも映画でもあるまいし。

そう思っていた。



島のそこかしこ至る所で、刃を抜き、相手の肉を裂き、不可思議な力で相手を打ち倒さんとする無数の彼らを見るまでは…!
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